【数学のはなし】
数学の問題を解くことは、山登りに似ています。問題の答えを山の頂上に例えてみます。山頂までに至る道すじ(山道)が複数あるように、問題の解き方は何通りもあります。
数学の問題と解くとき、まず問題を読み、問題の意味が分かると、どこから手をつけるか解法の方針を見つけ出します。(解法の糸口を見つける)これは、山全体を下から見上げて山道を推測し、どこから登るか、どこが登山口かを見つけるのと同じです。
山道を登るとき、頂上のことは特に意識せず、その場の景色や風景を楽しみながら一歩一歩、山道を辿〔たど〕っていくように、問題解決の糸口を見つけたら、次の段階へ考え(計算)を辿っていきます。この辿ることが「数学をする(Do Math.)」になります。数学は知識として覚えることより、考え方を辿っていく学習です。それを楽しみながら辿る、まさに山登りと同じです。
道が分岐する地点では、どちらの方向に行くか、今まで辿った経験(記憶)と瞬時のひらめきに左右されますから、それまでの問題演習(登山経験)が多ければ多いほど、ひらめきや勘も鋭くなり、解答までの道すじがきちんと見えてきます。
しばらく登ると、今までの道すじが正しかったかを確認するために、後ろを振り返ります。その時の眺めが美しいとき、選択した道すじは正解だったと安心でき、何とも言えない爽快感、満足感を感じることができます。
道に迷ったら藪の中へ入り遭難…!? 解き方がスムーズでなかったり、間違っていると、とんでもないところに行き着いてしまい、計算結果も変な数字が現れます。
少し戻って計算ミスや考え方の間違いや勘違いを見つけなければなりません。
次の方向を見定めながら、また一歩一歩、慎重に山道を辿っていき、山頂が視界に捉えられたとき、登頂の喜びを(問題の解決を)実感できます。すがすがしい山頂の空気を吸い、眺めを楽しむことが山登りの醍醐味です。
それと同じように、解法過程が難しく厳しかったときほど、すっきりとした答えに満足し、何とも言えない充実感に達するものです。
そして次の山登り(問題へのチャレンジ)への意欲につながっていくのです。
でも、最も肝心なのは、山登りに行こうと思う気持ち(問題と解こうというやる気)です。
まずは、やる気のきっかけとなる「すう楽」から始めてみましょう。